防災リフォームのポイント
- リフォームコラム
近年、自然災害の規模や頻度がますます増加しており、住まいの防災はもはや他人事ではありません。
防災リフォームは、地震、台風、大雨など、様々な自然災害からご自身やご家族の安全を守り、快適な生活を守るための重要な取り組みです。
こちらの記事では、具体的な施工内容やポイントなどをご紹介します。
防災の観点からリフォームを行おう
防災リフォームの重要性
日本は地震大国であり、台風や豪雨などの自然災害も頻繁に発生します。
これらの災害から身を守るためには、住まいの耐震性や防水性を高める必要があります。
また、大規模な災害時には電気やガス・水道などのライフラインが寸断される可能性があります。
そのため、自立した生活ができるような環境を整える必要があります。
防災リフォームはどんな施工をする?
防災リフォームは地震や台風、豪雨などの自然災害による被害を最小限に抑えることを目的としています。
具体的に行うリフォームは、建物の構造を強化する耐震リフォームや、風雨に対する災害対策が挙げられます。
耐震リフォーム
耐震リフォームは、まず耐震診断を行います。この診断は大地震が起きた際に、建物が倒壊してしまう可能性があるかどうかを評価します。
また、建物の弱点として、耐震性が低い部分や、補強が必要な箇所を特定します。
その後、必要に応じて耐震補強工事を実施します。
耐震リフォームは具体的には壁や柱・基礎の強化、屋根の軽量化などが行われます。
リフォームを通して、Is値(構造耐震指標)という建物の耐震性能を総合的に評価する指標を安全な数値まで改善することで、地震による被害を抑え、安心して暮らせる家へと生まれ変わります。
壁の補強
耐震壁や補強金物を用いることで、建物の構造全体の強度を高めることができます。
特に、壁の内部に耐震パネルを設置することで、地震時の揺れに対する抵抗力が増し、建物の倒壊リスクを大幅に減少します。
また、防水加工や雨漏り対策として、外壁に防水シートを使用し、窓やドア周りのシーリングを強化することで浸水リスクを低減できます。
加えて、火災対策として耐火建材の導入も検討すると良いでしょう。
耐火ボードや耐火塗料を使用することで、火災時の延焼を防ぎ、避難時間を確保することができます。
構造の見直し
家の構造自体を見直すことも重要です。
例えば、木造住宅の場合は、梁や柱の接合部を強化することで耐震性が向上します。
鉄筋コンクリート構造の場合でも、鉄筋の配置やコンクリートの質を見直すことで、耐震性能を高めることができます。
免震構造や制震構造といった技術は、地震の揺れを吸収・分散することで、建物へのダメージを軽減します。
家具の配置
大きなリフォームが難しいという場合は、家具の配置見直しなどはいかがでしょうか。
大きな家具や家電が倒れてくることで、二次災害が発生するリスクがあります。
これを防ぐためには、家具を壁に固定したり、重心を低くする工夫が求められます。
また、耐震マットやストッパーを使用することで、地震の揺れによる家具の移動を防ぐことができます。
地震が来た状況をイメージして、今の生活スタイル・部屋の状況を改めて確認しましょう。
風・水被害を防ぐリフォーム
台風や豪雨などの風水害対策は、高耐久軽量屋根材の使用や防水シートの設置、排水設備の改善などが効果的です。
さらに、防災防犯ガラスを使用することで、飛散物による窓の破損を防ぎ、室内への侵入を防ぐことができます。
どの程度対策が必要かは、ご自身の住んでいる地域のハザードマップを確認し、被害が想定されるか程度を把握しましょう。
屋根の補強
台風や強風に備える屋根リフォームでは、高耐久軽量屋根材の使用が効果的です。
これにより、屋根が飛ばされるリスクや雨漏りのリスクを減少させます。
また、地震に対しても軽量屋根材は建物全体の揺れを軽減し、耐震性を向上させます。
防災ガラスの種類と特徴
窓周りも防災リフォームが行えます。
防災ガラスは、地震や台風などの自然災害時に窓ガラスが割れて飛散するのを防ぐために設計されています。
これらのガラスにはいくつかの種類があり、それぞれ特有の特徴と利点があります。
●強化ガラス
強化ガラスは通常のガラスに比べて4~5倍の強度を持ち、衝撃を受けても粉々に砕けるため、大きな破片が飛び散るリスクを低減します。
これにより、ガラスが割れた際の二次災害を防ぐことができます。
●合わせガラス(ラミネートガラス)
合わせガラスは2枚以上のガラスを特殊な中間膜で貼り合わせた構造を持ちます。
この中間膜がガラスの破片を保持するため、割れても飛散することがありません。
また、防音効果や断熱性能も備えているため、日常生活においても快適さを提供します。
●防犯ガラス
防犯ガラスは合わせガラスの一種で、特に強靭な中間膜を使用しています。
窓からの侵入を試みる犯罪者に対しても高い抵抗力を持ち、災害時だけでなく防犯対策としても有効です。
防災ガラスの選び方は住まいの立地や家族構成、予算などに応じて異なります。
例えば、地震が頻発する地域では強化ガラスや合わせガラスが適しています。一方で、風水害が多い地域では防犯ガラスが有効です。
停電対策のリフォーム
台風が発生すると、暴風の影響で停電が起こるケースも多くあります。
停電への対策としては、全天候型3電池連携システムの導入が効果的です。
全天候型3電池連携システムとは、大規模な自然災害などによる長期的な停電時にも、快適な生活を送れるように設計されたシステムです。
太陽光発電・燃料電池・蓄電池を組み合わせることで、天候に左右されずに安定的に電力を供給し、長時間の停電時にも照明や暖房・給湯など、生活に必要な電力を確保できます。
太陽光発電
太陽の光を電気エネルギーに変換します。天候に左右されるため、日照時間が長いときに積極的に電力を生成します。
燃料電池(エネファーム)
都市ガスなどを燃料として発電し、同時に熱エネルギーも得られます。
太陽光発電と異なり、天候に左右されずに安定して発電できます。
蓄電池
蓄電池は発電された電気を蓄え、必要な時に供給します。停電時には、蓄えられた電力で家電製品を動かせます。
蓄電機能があるEVカーでも、太陽光で発電した電力を貯めて効率的に使用することができます。
防災の視点で行うリフォームのポイントをご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
日々の備えが大切なのはもちろんですが、長い時間を過ごすお住まい全体での防災を考えていただくのも重要です。
リフォームでは耐震や防風雨、停電対策などを行えます。
ご紹介したリフォームを行った施工事例は、こちらからご覧いただけます。ぜひ参考にされてみてください。